源泉所得税についての質問事例
 
01) @労組合専従者へ定額で支払う活動手当は雑所得の収入とするのですか、活動日報等の必要はありますか?

A非専従役員と書記の体制で、労金・労済の事務を時間外手当が発生する時間帯で処理していますが、人件費で処理できますか?

B役員手当は、雑所得で20万円以内なら課税されないので源泉徴収義務がないのでしょうか?

C雑所得としての認識は定額手当のみと思いますが、活動時の「活動費」を含めますか?

 
02) 同一建物内の会議で日当を支払っていますが、旅費に準じて非課税となりますか?
03) 現在、日当を平日2,000円、休日2,500円支給していますが、休日の負担が大きく休日の支給額を増額しようと考えています。どの程度なら妥当でしょうか?

04

非専従者の賃金補償分の源泉徴収について説明してください。

05

組合役員が任期満了で退任する時、記念品(現金)を支払った場合本人から証明書をもらうべきですか?
06) 永年役員表彰の記念品を支給していますが、課税されますか?
07) 役員へ連絡するための携帯電話の通話料を支給しています。この通話料は課税されますか?
08) 残業食事代の福利厚生費は非課税ですが、専従役員も非課税ですか?
09) 役職員の会食、旅行、運動会等のレクリエーションの行事に支払った費用は課税されますか?
10) 人件費按分用の作業日誌として、1年間のうち4ヶ月間記録して換算していますが、これでも正しいのですか?
11) 組合結成○○周年パーティーを開催して、祝い金を受け取りました。この祝い金に課税されますか?
12) 機関紙で募集しているクイズ等に、当選した組合員への賞金等は課税されますか?
13) 組合基金を返還する予定ですが、現金支給または個人口座へ振込みとした場合、どちらにも課税されますか?

回答
 
01)
@労組合専従者へ定額で支払う活動手当は雑所得の収入とするのですか、活動日報等の必要はありますか?
A非専従役員と書記の体制で、労金・労済の事務を時間外手当が発生する時間帯で処理していますが、人件費で処理できますか?
B役員手当は、雑所得で20万円以内なら課税されないので源泉徴収義務がないのでしょうか?
C雑所得としての認識は定額手当のみと思いますが、活動時の「活動費」を含めますか?
労組専住者へ支払う定期・定額の活動手当・役員手当等は給与等となり、源泉所得税の徴収義務があります。
また、非専従員と書記に支払う時間外手当も給与等となり、源泉徴収義務があると思われます。
会議費、交通費等の活動手当については、活動日報等に業務内容等を記載し、実費精算するよう願います。(領収書があるものは活動日誌等に添付する)。
非専従者へ支払う手当、日当等は、所得税基本通達23〜35共−2(組合事務専従者以外の組合員が受ける金銭等)では、雑所得の総収入金額に参入するとなっております。ただし、組合事務専従者との権衡上雑所得とすることが適当でないと認められる場合には給与等又は旅費に該当するとされてあります。なお、雑所得に該当する場合には、源泉徴収義務はありません。

参考   雑所得の金額 = 総収入金額 − 必要経費

02)同一建物内の会議で日当を支払っていますが、旅費に準じて非課税となりますか?
非課税に該当する旅費とは、勤務する場所を離れてその職務を遂行するため旅行をし、その旅行について通常必要であると認められものに適用されます。同一建物内の会議にかかわる日当は、給与所得又は雑所得の対象になると思われます。
 
03)現在、日当を平日2,000円、休日2,500円支給していますが、休日の負担が大きく休日の支給額を増額しようと考えています。どの程度なら妥当でしょうか?
日当はその勤務を遂行するために必要な費用を支給するもので、平日休日に関係なく支給される手当です。従って、平日と休日の日当に差額があれば、その差額は非課税として認められず、給与所得又は雑所得の対象になると思われます。
 

04)非専従者の賃金補償分の源泉徴収について説明してください。

賃金補償の内容により取り扱いが異なると思われます。非専従者の賃金補償分が給与所得に該当すれば「給与所得の源泉徴収税額表」の乙欄により源泉徴収を行います。また、雑所得に該当すれば源泉徴収義務は生じません。
 
05)組合役員が任期満了で退任する時、記念品(現金)を支払った場合本人から証明書をもらうべきですか?
組合役員が退任に際し受給する現金は退職所得となります。組合役員に「退職所得の受給に関する申告書、退職所得申告書」を記入していただき、退職所得に係わる税金の計算等を行ってください。なお、「退職所得の受給に関する申告書、退職所得申告書」は労組で保管してください。

06)永年役員表彰の記念品を支給していますが、課税されますか?
表彰が概ね10年以上の勤続年数のものを対象とし、且つ、2回以上表彰を受けるものについて概ね5年以上の間隔を置いて行われるものであることが条件です。
記念品等には金銭はもちろん、株券、商品券、旅行ギフト券のような換金が容易であるものは金銭と同様に取り扱われ、給与所得(賞与)として課税されます。
●専従役員   賞与として甲欄で源泉徴収
●非専従役員  賞与として乙欄で源泉徴収
(注) 旅行ギフト券の場合は、本人が旅行先のホテル等で本人宛ての領収書等を受領し労働組合へ提出した場合は、課税されない。
 
07)役員へ連絡するための携帯電話の通話料を支給しています。この通話料は課税されますか?
携帯電話の契約者が組合である場合は全額組合負担とすることができますが、契約者が個人でその通話料の一部を補填している場合は、その補填した額は手当と同様に、主たる給与に含めて源泉徴収の対象となります。
 
08)残業食事代の福利厚生費は非課税ですが、専従役員も非課税ですか?
残業で支給する食事は専従役員も含めて非課税(現金は課税)になります。
(所得税基本通達36−24)
また、会議等で専従役員に対し通常の食事(現物)を支給しても、課税関係は生じません。
 
09)役職員の会食、旅行、運動会等のレクリエーションの行事に支払った費用は課税されますか?
役員及び職員の会食、旅行、演芸会、運動会等の行事の費用を負担した場合、社会通念上一般に行われていると認められる範囲内であれば、経済的利益はないものとして課税されません。
但し、特定の者(役員だけ)に対する費用負担や自己の都合による不参加に金銭等の支給をした場合は参加者及び、不参加者全員に、その不参加者に対して支給した金銭の額に相当する額の給与等の支給があったものとして源泉徴収の対象となります。慰安旅行の場合は次のいずれかの要件を満たしていることが条件となります。
@ その旅行に要する期間が4泊5日(目的地が海外の場合には、目的地における滞在日数による)以内のものであること。
A その旅行に参加する従業員等の数は全従業員の50%以上であること

10)結成○○年記念として組合員に記念品を支給しようと企画しています。支給する記念品の購入価格がどの程度なら課税されませんか?
組合が結成○○周年記念として組合員に記念品を支給した場合はその記念品の処分価格(概ね購入価額の70%)が10,000円以内であれば課税されません。
但し、一部の組合員に記念品に換えて金銭等を支給した場合は、給与所得として源泉徴収の対象となります。
 
11)組合結成○○周年パーティーを開催して、祝い金を受け取りました。この祝い金に課税されますか?
組合結成○○周年記念パーティーを開催に際し、出席した来賓及び友誼組合からの祝い金については雑収入として受け入れ、一方、パーティー開催までの準備及び当日の対応等々でボランティア活動に参加した組合員と共に打ち上げ会を開催した場合、その経費を支給額として計上していれば課税関係は生じません。
祝い金を収入科目に計上せず、打ち上げ会の経費等に充当してしまった場合は支出行為が明らかでないとして、責任者に対する給与として源泉徴収されます。
 
12)機関紙で募集しているクイズ等に、当選した組合員への賞金等は課税されますか?
労働組合が機関紙等で行うクイズ等の当選者に対する賞金等の支払は、対象者が組合員とその家族に限定されていることから、所得税法204条第1項第8号に定める事業の広告宣伝のための賞金には該当しません。よって、源泉徴収対象外となります。支払を受けた本人は、一時所得として、次の計算により所得があった場合は、給与所得等と合算して確定申告を行ってください。

一時所得の金額=(総収入金額-その収入を得るために支出した金額-50万円)× 1/2
 
13)組合基金を返還する予定ですが、現金支給または個人口座へ振込みとした場合、どちらにも課税されますか?
組合員からの搬出で組合基金(労組名義預金)をつくり、それを組合員に返還するときは、労組に対する課税関係は生じません。ただし、組合員は一時所得として、課税されると思われます。

一時所得の金額=(総収入金額-その収入を得るために支出した金額-50万円)× 1/2